冬の石灰硫黄合剤で樹木を消毒「越冬する病害虫の駆除」

写真は、当社圃場の樹木を消毒(殺菌殺虫剤散布)している様子です。使用している薬剤は石灰硫黄合剤ですが、冬(1月~2月)に石灰硫黄合剤で消毒する理由をお話ししますね。

石灰硫黄合剤で越冬する病害虫を駆除

樹木で越冬している病原菌や害虫は、春になると活動を始めるので、冬季の消毒は、この病害虫の被害を最小限に抑える効果があります。

中でも石灰硫黄合剤は非常に強力で、うどんこ病や黒星病など多くの病原菌に効果があり、駆除の難しいカイガラムシ類にも確実に効き目があるので、昔からよく使われています。

ただ、石灰硫黄合剤は、樹木が活動をはじめる春以降に散布すると、薬害を起こすことがあるので、樹木が休眠中の冬季に散布することが定石となっています。

優れた石灰硫黄合剤ですが、欠点が3つあります。

石灰硫黄合剤の欠点

  1. 独特な臭いがする

    強い硫黄臭がするので、近所迷惑を考慮して、風のない日に散布してください。ただ、翌日には臭いもおさまり、散布した樹木に近寄ると若干くさい程度です。

  2. 金属類が錆びる

    石灰硫黄合剤は強アルカリ性なので、金属などに付着すると変色したり、すぐに錆びます。散布時は自動車や金物などにかからないように十分注意が必要です。

  3. 少量での購入ができない

    石灰硫黄合剤は少量で販売されていません。販売単位は最小で10リットルですので、個人のお庭では使い切れないことが多いです。

以上の理由で、個人の方が庭で使用する殺虫殺菌剤としては敷居が高い石灰硫黄合剤ですが、バラなどの病気にかかりやすい植物には特に効果を感じられる薬剤です。

また、去年に病気になった庭木は、今年も同じ病気にかかりやすいです。冬季なら使用できる強力な殺菌剤が色々ありますので、冬の消毒にチャレンジして、病害虫の少ないガーデニングを楽しんでくださいね。